アドリブソロと作曲に使える音楽理論 その2-3 マイナー解決セカンダリードミナント その1

マイナーコードへ解決するセカンダリードミナントは、A7,B7,E7の3つです。
この中で、圧倒的に出現頻度が高いのが「E7」。まずはこれから説明します。

前項で、メジャー解決セカンダリードミナントが出現した時は一時転調したと考える、と書きました。
マイナー解決ではどうなるかというと、「やや一時転調した」と考えます。えー! アバウト!

具体的には、E7はkey of Aのドミナントなので、Aに一時転調してA(メジャーコード)へと解決しようとする力が働きます。それを、メジャーへ解決すると見せかけてマイナーへ、つまりAm(マイナーコード)へ持っていく動きがマイナー解決セカンダリードミナントです。
すると、スケールもどっちつかずになります。Scale of AとScale of Cの混合になるのです。すると、これまで使ってきたダイアトニックスケールとは音の並びが根本的に違ってきます。

実際の音を見てみましょう。Scale of Aはこうです。

ド♯ ファ♯ ソ♯

このスケールをE7の時に弾くと、雰囲気が完全にKey of Aになってしまいます。これをちょっとだけKey of Cに寄せるには? とりあえず一番相性の悪い「ド♯」を「ド」に変えてしまいましょう。

ファ♯ ソ♯

このスケールをE7の時に弾いて、次にAmへ進行すると自然に感じられます!
これを「メロディックマイナースケール」と呼びます。

さらに、もう1種類相性の良いスケールがあります。上記に加え、「ファ♯」も「ファ」に変えてしまうのです。

ファ ソ♯

こうなるとScale of Cにかなり近く、「ソ♯」だけが違うものになりますね。
これを「ハーモニックマイナースケール」と呼びます。

コード進行の例を挙げてみましょう。

■Am → F → G → E7 → (最初へ戻る)

4つ目のE7から先頭のAmへ戻る力が非常に強い進行です。
このコード進行の上でメロディを弾こうとすると、こうなります。

Am → F → G → E7 → (最初へ戻る)
key of C
Scale of C
key of C
Scale of C
key of C
Scale of C
key of C?
Scale of A-MM
Scale of A-HM

MMはMelodic Minor、HMはHarmonic Minorの略です。このどちらを弾くかは、曲の雰囲気で自由に判断できます。MMはやや明るく、HMは暗い印象になります。
(もちろん、複数人で合奏する時はごっちゃにすると「ファ」と「ファ♯」がぶつかって濁るので、意思統一は必要です)
ここでも、呼び名はEではなくAを基準とすることに注意して下さい。

クラシック理論では「上る時はMMでも、下る時はHM」と教えられたりもしますが、最近のジャズ理論ではあんまり気にしない傾向だと思います。

ちなみにMMとHMが弾かれている瞬間、Keyはどっちなのか? と訊かれるとちょっと迷います。CとAの中間、としか言えません。私の個人的な意見では、Cと解釈しています。よって、これらは「一時転調」ではありません。スケールが特殊である、という状態になります。

次項ではもうちょっと掘り下げます。

その2-4 メロディックマイナー・ハーモニックマイナー

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