アドリブソロと作曲に使える音楽理論 その1-8 ダイアトニック実践

1-2項で出てきたダイアトニックスケール一覧を、もっとシンプルにした図を示します。

↓Key & Scale i ii iii iv v vi vii
of C ファ
of D♭ レ♭ ミ♭ ファ ソ♭ ラ♭ シ♭
of D ファ♯ ド♯
of E♭ ミ♭ ファ ラ♭ シ♭
of E ファ♯ ソ♯ ド♯ レ♯
of F ファ シ♭
of F♯
/G♭
ファ♯
ソ♭
ソ♯
ラ♭
ラ♯
シ♭
ド♯
レ♭
レ♯
ミ♭
ファ
of G ファ♯
of A♭ ラ♭ シ♭ レ♭ ミ♭ ファ
of A ド♯ ファ♯ ソ♯
of B♭ シ♭ ミ♭ ファ
of B ド♯ レ♯ ファ♯ ソ♯ ラ♯

1-4項のコード一覧で説明したように、キーは「シャープ系key」と「フラット系key」があるので、不要な部分を省いてスッキリさせた表です。

1つのKeyに対応した基本コードを伴奏として、そのKeyのダイアトニックスケールをメロディ(歌 or 楽器のソロ演奏)とすれば、まったく濁らない響きで曲が奏でられます。

では、基本コードの代表的な進行をいくつか挙げてみましょう。

(1)■I → I → IV → V → (最初に戻る)
トニック・サブドミナント・ドミナントの関係性で説明した進行の再掲です。

(2)■I → I → IIm7 → V → (最初に戻る)
上記(1)の、IVを代理コードIIm7に置き換えたもの。わずかに暗くなるだけで、ほとんど響きは変わりません。min7thの無いIImだともっと暗くなります。

(3)■I → VIm → IV → V → (最初に戻る)
これも再掲ですが、上記(1)の、トニックが連続するところの2つ目を代理コードVImに置き換えたもの。一旦暗くなってまた明るくなる、という起伏が、楽曲としての味になってきます。これがVIm7だと微妙に明るいのでイマイチです。

(4)■I → IIIm → IV → V → (最初に戻る)
上記(1)の、トニックが連続するところの2つ目を代理コードIIImに置き換えたもの。VImとはまた違った、ロマンチックな響きがします。こちらはIIIm7でもアリです。

(5)■I → VIm → IIm7 → V → (最初に戻る)
上記(3)の、IVを代理コードIIm7で置き換えたもの。マイナーが増えてきましたが、それほど暗くなく、深みが増してきた感があります。

(6)■I → IV → V → I → (最初に戻る)
IからすぐにIVに行くパターンの基本形。このままではシンプルですが、下記のように代理コードで置き換えてゆきます。

(7)■I → IV → V → VIm → (最初に戻る)
上記(6)の、最後のトニックを代理コードVImで置き換えたもの。少し起伏ができます。

(8)■VIm → IV → V → I → (最初に戻る)
上記(6)の、最初のトニックを代理コードVImで置き換えたもの。VImは暗く安定性があるので曲のアタマに使えます。
これは力強い進行で、ヒット曲にも頻出します。桑田佳祐氏・小室哲哉氏など。
また、IVをIV△7にしても、よりドラマチックになります。

(9)■VIm → IIm7 → V → I → (最初に戻る)
上記(8)の、IVを代理コードIIm7で置き換えたもの。やはり、ちょっとしか印象は変わりません。

(10)■IV → V → I → I → (最初に戻る)
これも以前出てきたもの。やや不安定なサブドミナントから始め、トニックで安定させます。これだけでもヒット曲に登場。
IVをIV△7にするとよりドラマチックになりますし、VをV7にするのも良いです。

(11)■IV → V → I → VIm → (最初に戻る)
上記(10)の、最後のトニックを代理コードVImで置き換えたもの。展開を感じ、より次の週のIVに続けたくなります。
これもIV△7・V7が効果的。

(12)■IV → V → IIIm → VIm → (最初に戻る)
上記(11)の、Iを代理コードIIImで置き換えたもの。日本のヒット曲に非常に多い進行(何故か、他の国では少ない)。IIImの使い方で最も効果的かもしれません。
この進行の場合、IV△7・V7・IIIm7・VIm7と、全て4和音への置き換えが効果的です。

(13)■IV → V → I△7 → VIm → (最初に戻る)
上記(11)とほとんど同じなのですが、Iに△7がついた場合、力強さが消えて、繊細な(12)に近い印象になります。山下達郎氏に特に多い進行。
もちろんIV△7・V7・VIm7が効果的。

(14)■IIm7 → V → I → VIm → (最初に戻る)
上記(11)から(13)まで、全てIVを代理コードIIm7に置き換えることができます。

(15)■VIm → V → IV → V → (最初に戻る)
暗い安定のVImからいきなりドミナントへ向かう形。フォークっぽいです。

(16)■I → V → VIm → IIIm → IV → I → IIm7 → V → (最初に戻る)
通称「カノン進行」。ヒット曲がものすごく多いパターン(洋楽邦楽問わず)。
VはV7でも可。

というわけで、よくあるものをドバッと書いてみました。もっと自在な「進行の作り方」は、また後の章で解説しましょう。
これらのように基本和音しか使っていなければ、ダイアトニックスケールが自由に載ります。シンプルなものなら、これでアドリブソロと作曲が可能になるのです。スタートラインに立つことができました!
1つkeyを決めて、第1章付録として用意した一覧表などを参考にしつつ、コードの上でスケールを自由に弾いてみましょう。鍵盤の左手と右手でできる人はそれで、打ち込みができる人はカラオケを作ってみて、楽器のできる人が複数いれば役割分担して、など……。

しかし、世の中の曲はこれだけで説明できないものもあります。基本の上に、「スパイス」を加えているのです。これ以降は、様々な「スパイス」を、定番のものから順に学んでゆきます。

その2-1 セカンダリードミナント

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